このタイトルと写真の話は下の方で。(後日写真追加しました)
その前に大事なお知らせ!
あした水曜日の深夜すぎ、友人のディレクターが渾身で制作したドキュメンタリー番組がフジテレビで放映されます。面白すぎるので絶対見ましょう、以下詳細です。
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インド仏教の頂点に立つ男、佐々井秀嶺氏来日同行取材の番組放送のご案内。
NONFIX「男一代菩薩道2〜佐々井秀嶺44年ぶりの帰郷〜」
8月12日(水)26:38〜27:38(8月13日 2:38〜3:38)
放送局 フジテレビ
これの第2弾になります。本もあります。
http://www.fujitv.co.jp/nonfix/library/2004/445.html
http://www.aspect.co.jp/np/details.do?goods_id=971
2ヶ月間の取材で収録は200時間以上に及び、インド取材を含めると収録素材は300時間にもなりました。番組は正味50分ですので、もったいないというか、寂しいというか、どうにも複雑な心境です。
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とのこと。私からすると佐々井秀嶺氏は僧侶の頂点というよりはまるでカリスマロックスター。先日44年ぶりに帰国された際に力強いお経を聞きましたが、とにかく理屈抜きに震えました。興味のありそうな方々にも見るようにおしえてください。
では本文に入ります、
えーと、ブログを見事に書かなかったですが、7月に久々に帰国してから何をしていたか。。。
まずまた体を壊し、復活し、ライブもして、パリのレーベルからBaguette BrdotのCD+DVDがめでたく発売されることになったので、それの準備やら、私の体質が変わったせいか、久々の日本がなんだか違ってみえてちょっと面白くて、でもそれをいちいち書き留める気にもならなくて、久しぶりの人にあったり遊んだり、壊したり、してました、とかやってると、野生の血が騒ぎだし、夏だ山だ!で、ノリで山伏の修行体験というのに行ってきました。白装束で山を黙々と駆けるアレです、修行です、登山とはちょっと違いまして、脱落はしなかったもののマジでマジでして、思っていた以上に辛いとか苦しいのは当然に超える体験になりました。しかし、そこからどうやって東京まで帰って来たか覚えていない。。。これが修行というものでしょう。人生で一番ぐらい、自分の弱さを生にして向き合い、初めて出会う力で戦ってみました。って大げさでしょ?!!現代人の甘さからでるこのことば!!!私のバカやろう!大バカやろう!!!原始に帰りたい!!!
場所は出羽三山、三日間の山伏修行と聞いて勢いで飛んでしまった。参加者全員(25名弱?うち女性8名、みな若め)集合後、白装束に着替え誰が誰だかあっちの世界に入ってしまって、しかし初日の長時間のとそう行を終えた時点でヤバいなこれ三日間…と思うともう結構逃げたい感じでしたが逃げ出す訳にもいかず(逃げる気力もなく)、朝4時のホラ貝の目覚ましで整列し水垢離(川で禊)、それから足場の悪い急傾斜や岩山や階段をひたすら登り降り、とりあえず普通に「足が棒になる」ってやつになるです、「足が棒になってそしてその足を運ぶ」ですね、最後はもう自分の力でなく然の無言の支えによって黙々と前に進んでました。
(「足が棒になる」正確にどんな状態をさすのか検索したらこれってスゴい(笑)↓)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q139287773
今回特に雨が降っていたので足場に細心の注意が必要&体温が奪われ特に急傾斜の登山下山は限界のあっちいきでしたが、先頭から度々空に響き渡るホラ貝のバイブと鈴の音、時々ふと見やると霧雨に包まれた美しい山の深緑の荘厳さに励まされ、とにかくふんばり抜きました、羽黒山、湯殿山、月山。
このとそう行以外でくじけそうになったベスト3:
1、滝行。(雨でものすごい増水した冷たい滝に打たれる、その前にその滝に辿り着くまでが困難)
2、壇張。(食事、ほんのちょっとの一汁一菜をマジ早食い、山伏は食事に時間をかけるのは厳禁、私はこれがどうしても苦手で最終的には口になんとかかき込み食べたフリを頑張るハメに)
3、南蛮いぶし。(唐辛子、ドクダミなどをいぶす煙で充満する部屋に密閉されひたすら耐える座禅のようなもの)
人間辛いといろんな事を考えると思うですが、私の場合つらすぎて笑っちゃうシーン満載でした、なんじゃこりゃ?うひゃ〜!もちろん実際に笑う余裕すらなかったですが。いつ脱落してもおかしくない状況だったから。最後は「おぎゃーっ」の火渡りでこの世に戻って終了。
山伏のなんの知識もなく飛び込んでしまったですが、なんとか感想を言うと、出来ないと思う事をトライする自分がそこでまた絶対やだと思う事をやる面白さ、を楽しめる自分がいるのかどうか客観的に見れたような気がしてよかった、全然うまく言えてないですが、そのまんまですね。超える事。客観視。辛さとかありがたみとか全部含めて、ショック療法とちょっと違うかもしれないけど。あんまり辛いと、どうしたら少しでも楽にこなせるかって本能的になにか工夫してみる自分がいて、こうやって人の個性が作られるんだなとか、そういうこと感じたのも学びだった、大変でも冷静に角度変えればなんてことない、って、でもたぶんこれは相手が偉大な大自然だったからできたかも。人間はちっぽけで弱い。自然に抵抗するでなくどう馴染もうかと知恵を絞る。こう書くと普通の事だが。しかし中でも一番無理のある「南蛮いぶし」も、どういうものか知らずに部屋に入りいきなり本当にこんな苦行があっていいものか!と驚きながら耐えていて途中からどうしようもなくなって、でも少しでも動けばもっと呼吸が荒くなり辛くなり脱落するしかなくなると思うと知恵が働きだし、これは世界一の薬〜〜〜殺菌殺菌〜〜一生病気にならない薬だ〜〜〜と言い聞かせ、そこから高鳴る心臓を沈めて呼吸の回数をなんとか減らす呼吸法など色々試してみたり、ギリギリまですごい頑張った。
川に入るとか岩を歩くとか、大自然と限りなく一体化してみるという意味ではオーストリア生活で似たシーンはありましたが、こういった厳しい向き合い方ではなかったので(だってdream timeだもん)日本の山伏の歴史、自然に対する畏怖の表現やメンタリティーはやはりどうも独特なもので、ほんの入り口でしょうけれど、そんなこと体験できたのは面白かった。しかも山伏はもともと男性がやるものなので、女としてこの体験をどう生かすかもまた少し違う気がする。
自分を見つめるいい機会でもあった、わたしはまず団体行動が苦手でどんなに頑張っても参加者の皆さんに迷惑をかけた。ダメだ。でもこれはどう直せばいいのか。
そしていつもノリで動いてる分大事な事に気が付くのがとても遅い。それはいいことでも悪い事でもないと思っているけど今回のこれは自分一人でしたいと思っても出来る我慢(修行)では全くなくて、本当にすべての見えない力に支えられた経験をしたと思うから、自分の中にこの体験がどんな風に芽をだして見せてくれるのか少し気長に待ちたい、それを楽しめるくらい、今何かが私の中に潜伏しています。(たぶんこの感じが怠け者の所以なんだろうなー。でもマジでがんばったから)
宿坊からの景色。のどかそのもの。
最後の直会。一升入った杯。これで記憶をなくして東京まで。
3日ぶりのごちそうと並々酒を注ぐ先達!お世話になりました^!!!
東京に戻って二日経ってまだ足は棒のまま、よくみたら虫にさされまくっている!
そして何故か東京に着いたら携帯がまた壊れていてほんの少しの記録写真が見れない、だから代用機でお札だけ写真とったんですが。。。なんか今日はごめんヤバい余韻にどっぷり浸ってます、ヘビーだったかな、でもオギャーですよ、明日にも。
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少し前に撮影したBaguette Bardotジャケ写のテストポラ(サイン付き)を一枚。
撮影はノニータさん、素晴らしいのです。面白いカットいっぱい!選べなかった!
全8曲+3曲のPV付き、フランスでリリース予定です。仕上がり楽しみにしていてください。